在日韓国人(特別永住者)相続・帰化支援センター【行政書士法人エベレスト】

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【韓国民法】相続人が誰もいないとき(韓国における特別縁故者・相続人不存在制度)

相続人不存在とは?

亡くなった方が遺言書を作成しておらず、また法律上の相続人(法定相続人)が既に死亡しているか、全員が「相続放棄」を行ったか、そもそも最初から存在していないなどにより、相続権を持つ親族等が一切存在しないことを「相続人不存在」といいます。「相続人」については、以下の関連ページをご覧ください。

 

①【韓国民法】第一順位の相続人・法定相続分について

②【韓国民法】第二順位の相続人・法定相続分について

③【韓国民法】第三順位・第四順位の相続人・法定相続分について

 

「相続人不存在」であるとき(となった場合)、相続財産はどうなるのか

 

前述の通り、「相続人不存在(相続人がいない場合)」というのは、第四順位までの相続人がいない状態のことをいいます。このとき、家庭裁判所の審判により「特別縁故者」となった者が財産分与を受けることができ、相続財産の全部または一部を受け取ります。それでも処分されなかった財産は「国庫へ帰属」となります。

 

(1)「特別縁故者」がいる  → 特別縁故者が財産の全部又は一部を承継

(2)「特別縁故者」がいない → 国庫へ帰属

 

なお、「特別縁故者」とは、被相続人の親族ではない又は相続権のない人(五親等以上の親族)の内、以下のいずれかに当たる人になります。

 

 

①被相続人と生計を同じくしていた人

 

②被相続人の療養または看護をした人

 

③その他、被相続人と特別に縁故があった人

 

 

 

(韓国民法第105721項参照) ※日本語訳

 

1057条の2(特別縁故者に対する分与)

 

①第1057条の期間内に相続権を主張する者がないときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護をした者その他被相続人と特別の縁故のあった者の請求により、相続財産の全部又は一部を分与することができる。

 

 

 

韓国籍の被相続人が「相続人不存在」の場合の、申し立て手続きについて

第四順位までの相続人が誰もいない場合、利害関係人(自分が特別縁故者に該当すると思う者からでも可)の請求により家庭裁判所が相続財産管理人を選任します。被相続人(亡くなった方)が在日韓国人である場合、日本の家庭裁判所で手続きを行うことが可能です。3回に渡る公告を行い、相続人が現れなかった場合、特別縁故者への財産分与が行われ(※財産の全部が分与されるとは限りません)、それでも残った財産は国庫に納められます。

 

このように、日本の民法の規定と同じく、特別縁故者が財産分与を受けるには、かなりの時間と手間を要します。ご自身に相続人がいないことがわかっている場合は、遺言書を残しておきましょう。遺言により第三者へ財産を贈ることが可能です。

 

 

相続財産管理人の申し立て手続き(※期限が日本民法と異なるため要注意!)

相続財産管理人の選任
被相続人(亡くなった方)の利害関係人(法律上の利害関係を有する者)等が家庭裁判所へ相続財産管理人の選任を申し立てます。
 ▼
相続財産管理人の選任公告(1回目の公告)
家庭裁判所は相続財産管理人を選任したことを公告します。
 ▼
相続債権者捜索の公告(2回目の公告)
1 回目の公告から3ヶ月が経過しても相続人の申し出がなければ、相続財産管理人は、被相続人にお金を貸している債権者や受遺者(被相続人の遺言により財産を受け取ることになっている人)がいたら申し出るよう、2ヶ月以上の期間を定めて公告します。
 ▼
相続人捜索の公告(3回目の公告)
2回目の期間が経過してもなお相続人が名乗り出なかった場合、相続財産管理人の請求により、更に1年以上の期間を定めて相続人を捜すための公告を行います。そして、この期間を待っても相続人が現れなければ、ようやく相続人の不存在が確定します。
 ▼
特別縁故者への財産分与
3回目の公告により相続人の不存在が確定してから2ヶ月以内であれば、特別縁故者は財産の分与を請求することができます。
 ▼
国庫に帰属
特別縁故者への分与の後、残りの財産があればそれが国庫に納められます。

参考文献等

 

参考:木棚照一監修【第3版「在日」の家族法QA】日本評論社

 

 

 

探しやすい生活法令情報(相続人がいない場合の相続財産帰属)

 

https://easylaw.go.kr/CSP/CnpClsMain.laf?popMenu=ov&csmSeq=255&ccfNo=5&cciNo=2&cnpClsNo=1

 

 

 

国家法令情報センター(韓国民法)

 

https://www.law.go.kr/LSW/LsiJoLinkP.do?lsNm=%EB%AF%BC%EB%B2%95

 

 

 

<韓国民法の規定>

 

 

6節 相続人の不存在<改正1990.1.13.>

 

 

 

1053条(相続人なし財産の管理人)①相続人の存否が明らかでないときは、裁判所は、第777条の規定による被相続人の親族その他の利害関係人又は検事の請求により、相続財産管理人を選任し、遅滞なくこれを公告しなければならない。 <改正1990.1.13.>

 

 

 

②第24条から第26条までの規定は、前項の財産管理人に準用する。

 

 

 

1054条(財産目録提示及び状況報告) 管理人は、相続債権者又は受遺者の請求があるときは、いつでも相続財産目録を提示してその状況を報告しなければならない。

 

 

 

1055条(相続人の存在が明らかになった場合)①管理人の任務は、その相続人が相続の承認をした時に終了する。

 

 

 

② 前項の場合には、管理人は、遅滞なく、その相続人に対して管理の計算をしなければならない。

 

 

 

1056条(相続人なし財産の清算)①第1053条第1項の公告のあった日から3月内に相続人の存否を知ることができないときは、管理人は、遅滞なく、一般相続債権者と受遺者に対し、一定の期間内にその債権又は受贈の届出をすることを公告しなければならない。 その期間は2月以上でなければならない。

 

 

 

②第88条第2項、第3項、第89条、第1033条から第1039条までの規定は、前項の場合に準用する。

 

 

 

1057条(相続人捜索の公告)第1056条第1項の期間が経過しても相続人の存否を知ることができないときは、裁判所は、管理人の請求により、相続人がいれば一定の期間内にその権利を主張することを公告しなければならない。 その期間は1年以上でなければならない。 <改正2005.3.31.>

 

 

 

1057条の2(特別縁故者に対する分与)①第1057条の期間内に相続権を主張する者がないときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護をした者その他被相続人と特別の縁故のあった者の請求により、相続財産の全部又は一部を分与することができる。 <改正2005.3.31.>

 

 

 

②第1項の請求は、第1057条の期間の満了後2月以内にしなければならない。 <改正2005.3.31.>

 

 

 

[本条新設1990.1.13.]

 

 

 

1058条(相続財産の国家帰属)1057条の2の規定により分与されないときは、相続財産は、国家に帰属する。 <改正2005.3.31.>

 

 

 

②第1055条第2項の規定は、第1項の場合に準用する。 <改正2005.3.31.>

 

第1059条(国の貴族財産に対する弁済の請求の禁止)前条第1項の場合には、相続財産で弁済を受けることができなかった相続債権もしくは受遺者があるときも、国に対してその弁済を請求することができない。

 

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