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【韓国民法】在日韓国人が行う遺言書の方式

遺言書とは?

一般的に知られている遺言とは、家族などに残した言葉ですが、単に伝えただけであれば、法律的に効力はありません。つまり、民法に定める方法(方式)に従って残さなければ、効力が発生せず、その遺言通りに権利は帰属するのではなく、民法の規定通りに相続が行われるということです(韓国民法1060条、日本民法960条参照)。これを「要式行為」と呼び、韓国も日本も共通となっています。

 

韓国民法での遺言書の種類

韓国の遺言書の種類には自筆証書遺言(韓国民法1066条)、録音遺言(1067条)、公的証書遺言(1068条)、秘密証書遺言(1069条)、口授証書遺言(1070条)があります。日本民法と同じく、自筆証書と公的証書が代表的です。

-自筆証書の方式

本人が自筆で書く遺言書で、一番簡単な方法です。(他の方式は証人が2人以上必要)
費用もかからず、一人で書けるので、秘密が守れます。特に定められた用紙や筆記用具はないですが、必ずその全文と年月日、名前、住居、捺印が必要です。ワード(Word)などコンピューターで書かれたものは無効で、外国語で自筆するのも可能です。また、何回も気軽に書き直すことが可能ですが、不備があると無効になるので、注意が必要です。

-公正証書の方式

証人と公証役場に行き作成する遺言で、文章作成や保管が難しい人におすすめしている方法です(出張も可能)。遺言者以外に遺言を書きとる公証人、立会して遺言書を承認する証人が必要ですので、証人は2人以上必要です。公正証書だけが遺言者の死亡以降、裁判所へ遺言書の存在を立証する検認手続きが不要です。

日本民法での遺言書の種類

日本の遺言書の種類には、一般的な方式として、自筆証書遺言(日本民法968条)、公的証書遺言(969条)、秘密証書遺言(970条)があります。韓国民法と違う部分は、自筆証書に作成者(遺言者)の住所が不要であることなどです。また、2019年相続法改正や遺言書保管法の成立を受け、日本の遺言書作成は方式の緩和や保管制度が創設されました。

在日韓国人が行う場合の遺言書の方式について

在日韓国人はどの国の法律に従って遺言書を書けばいいのでしょうか。

-方式について
日本の遺言の方式の準拠法に関する法律第2条
遺言は、その方式が次に掲げる法のいずれかに適合するときは、方式に関し有効とする。
・行為地法(遺言をする国や地方の法律)
・遺言の成立または死亡時に国籍を有した国の法律
・遺言の成立または死亡時に住所を有した国の法律
・遺言の成立または死亡時に常居所を有した国の法律
・不動産に関する遺言については、その不動産の所在している地の法律

 上記の日本法によると、在日韓国人の国籍は韓国だが、住所は日本にあるので、韓国法で定められた方式でも日本法に定められた方式でも書くことが可能です。つまり、在日韓国人については、録音による方法についても認められることとなります。

-内容について
 相続については被相続人の本国法に従うものと定められています(日本通則法第36条)。つまり、在日韓国人は国籍が韓国のため、韓国の法律に従って相続を行います。
 しかし、被相続人が亡くなる前に遺言書で「相続準拠法を常居住地法である日本法にする」と指定していれば、法適用通則法41条の反致の適用を受け、日本民法上の遺言内容を有効に記載できます(韓国国際私法49条2項参照)。

在日韓国人が行う遺言書作成の効果

-家族関係の証明をまとめることができる。
在日韓国人の中には、日本には子どもの出生申告などをしていても、韓国には申告を出していないなどの場合があります。韓国の法律に従って相続をするためには、出生申告等の処理に時間と手間がかかります。それを遺言で家族関係を整理して書いておけば、スムーズに相続を行うことができます。

-日本の法律で相続を行うことができる。
死亡人の国籍が韓国なら、韓国の法律に従わなければなりません。
しかし、遺言書で日本の法律に従うと書かれていれば、日本法で処理することができます。

 

韓国民法の日本語訳(抜粋)

第1060条(遺言の形式性)
遺言は本法の正しい方式によらなければ,効力は生じない。
【本文】
제1060조(유언의 요식성)
유언은 본법의 정한 방식에 의하지 아니하면 효력이 생하지 아니한다.

第1065条(遺言の普通方式)
遺言の方式は自筆証書、録音、公正証書、秘密証書と口授証書の5種とする。
【本文】
제1065조(유언의 보통방식)
유언의 방식은 자필증서, 녹음, 공정증서, 비밀증서와 구수증서의 5종으로 한다.

第1066条(自筆証書による遺言)
①自筆証書による遺言は遺言者がその前文と年月日、住所、姓名をしてして捺印しなければならない。
②、前項の証書に文字の挿入、削除または変更を艦には遺言者がこれを自筆して捺印しなければならない。
【本文】
제1066조(자필증서에 의한 유언)
①자필증서에 의한 유언은 유언자가 그 전문과 연월일, 주소, 성명을 자서하고 날인하여야 한다.
②전항의 증서에 문자의 삽입, 삭제 또는 변경을 함에는 유언자가 이를 자서하고 날인하여야 한다.

第1067条(録音による遺言)
録音による遺言は遺言者が遺言の趣旨、その姓名と年月日を口述し、これに参加した証人が遺言の正確さとその姓名を口述しなければならない。
【本文】
제1067조(녹음에 의한 유언)
녹음에 의한 유언은 유언자가 유언의 취지, 그 성명과 연월일을 구술하고 이에 참여한 증인이 유언의 정확함과 그 성명을 구술하여야 한다.

第1068条(公正証書による遺言)
公正証書による遺言は遺言者が証人の2人が参加した公証人の面前で、遺言の趣旨を口授し、公証人がこれを筆記朗読して遺言者や証人がその正確さを承認した後、それぞれの署名又は記名捺印をしなければならない。
【本文】
제1068조(공정증서에 의한 유언)
공정증서에 의한 유언은 유언자가 증인 2인이 참여한 공증인의 면전에서 유언의 취지를 구수하고 공증인이 이를 필기낭독하여 유언자와 증인이 그 정확함을 승인한 후 각자 서명 또는 기명날인하여야 한다.

第1069条(秘密証書による遺言)
①秘密証書による遺言は遺言者が筆者の氏名を記入した証書を厳封捺印してこれを2人以上の証人の面前に提出し、自分の遺言書であることを表示した後、その封書の表面に提出年月日を記載して遺言者や証人がそれぞれ署名又は記名捺印しなければならない。
②前項の方式による遺言封書はその表面に記載された日から5日以内に、公証人または裁判所書記に提出してその封印上に確定日時印を受けなければならない。
【本文】
제1069조(비밀증서에 의한 유언)
①비밀증서에 의한 유언은 유언자가 필자의 성명을 기입한 증서를 엄봉날인하고 이를 2인 이상의 증인의 면전에 제출하여 자기의 유언서임을 표시한 후 그 봉서표면에 제출연월일을 기재하고 유언자와 증인이 각자 서명 또는 기명날인하여야 한다.
②전항의 방식에 의한 유언봉서는 그 표면에 기재된 날로부터 5일내에 공증인 또는 법원서기에게 제출하여 그 봉인상에 확정일자인을 받아야 한다.

第1070条(口授証書による遺言)
①口授証書による遺言は疾病、その他の緊急な事由により前4条の方式を行うことができない場合に遺言者が2人以上の証人の参加でその1人に遺言の趣旨を口授、その口授を受けた者がこれを筆記朗読して遺言者の証人がその正確さを承認した後、それぞれの署名又は記名捺印をしなければならない。
②前項の方式による遺言はその証人または理解関係人が緊迫した事由の終了した日から7日以内に裁判所にその検印を申請しなければならない。
【本文】
제1070조(구수증서에 의한 유언)
①구수증서에 의한 유언은 질병 기타 급박한 사유로 인하여 전4조의 방식에 의할 수 없는 경우에 유언자가 2인 이상의 증인의 참여로 그 1인에게 유언의 취지를 구수하고 그 구수를 받은 자가 이를 필기낭독하여 유언자의 증인이 그 정확함을 승인한 후 각자 서명 또는 기명날인하여야 한다.
②전항의 방식에 의한 유언은 그 증인 또는 이해관계인이 급박한 사유의 종료한 날로부터 7일내에 법원에 그 검인을 신청하여야 한다.

・関連する韓国国際私法

第49条(相続)
①相続は死亡当時、被相続人の本国法による。
②被相続人が遺言に適用される方式によって明らかに次の各号の法の中でどちらかを指定するときは、相続は第1項の規定にかかわらず、その法による。
1.指定当時、被相続人の常居所がある国の法。ただし、その指定は被相続人が死亡時までにその国に常居所を保持した場合に限ってその効力がある。
2.不動産に関する相続については、その不動産の所在地法
【本文】
제49조(상속)
①상속은 사망 당시 피상속인의 본국법에 의한다.
②피상속인이 유언에 적용되는 방식에 의하여 명시적으로 다음 각호의 법중 어느 것을 지정하는 때에는 상속은 제1항의 규정에 불구하고 그 법에 의한다.
1. 지정 당시 피상속인의 상거소가 있는 국가의 법. 다만, 그 지정은 피상속인이 사망시까지 그 국가에 상거소를 유지한 경우에 한하여 그 효력이 있다.
2. 부동산에 관한 상속에 대하여는 그 부동산의 소재지법

第50条(遺言)
①遺言は遺言当時、遺言者の本国法による。
②遺言の変更または撤回はその当時、遺言者の本国法による。
③遺言の方式は次の各号のいずれか一つの法による。
1.遺言者が遺言、当時または死亡当時、国籍を持つ国家の法
2.遺言者の遺言、当時または死亡当時、常居所地法
3.遺言当時、行為地法
4.不動産に関する遺言の方式については、その不動産の所在地法
【本文】
제50조(유언)
①유언은 유언 당시 유언자의 본국법에 의한다.
②유언의 변경 또는 철회는 그 당시 유언자의 본국법에 의한다.
③유언의 방식은 다음 각호중 어느 하나의 법에 의한다.
1. 유언자가 유언 당시 또는 사망 당시 국적을 가지는 국가의 법
2. 유언자의 유언 당시 또는 사망 당시 상거소지법
3. 유언당시 행위지법
4. 부동산에 관한 유언의 방식에 대하여는 그 부동산의 소재지법

 


(参考文献等)
木棚照一監修【第3版「在日」の家族法Q&A】、日本評論社
国家法令情報センター(韓国)
https://www.law.go.kr/LSW/LsiJoLinkP.do?lsNm=%EB%AF%BC%EB%B2%95#
探しやすい生活法令情報
http://easylaw.go.kr/CSP/CnpClsMain.laf?popMenu=ov&csmSeq=234&ccfNo=2&cciNo=3&cnpClsNo=1

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